「都市鉱山からメダルを」貴金属リサイクル工場を視察
事務所屋上から大煙突を望む
事務所屋上から大煙突を望む

東京オリンピック・パラリンピックのメダル作りに使用済み携帯電話などを生かそうという運動が進められ、資源のない日本で「都市鉱山」とも呼ばれる。日本最大級の金属リサイクル・精練拠点であるJX金属日立事業所(茨城県日立市)を視察した。

同社の源流は明治時代に創業した日立鉱山(銅の採掘、精練)。日本鉱業時代を経て、現在はJXTGグループの一つ。ちなみに日立製作所は日立鉱山で使う電気機械のためにできた会社である。

日立鉱山時代にも、環境問題解決に頑張った歴史がある。銅精練で発生する亜硫酸ガスの害を減らすため、1914年(大正3年)、世界最大の155.7mの大煙突を建設。さらに煙害で荒廃した山林に、大島桜をはじめとする大規模な植林を行ったのだ。新田次郎の小説「ある町の高い煙突」にもなった。

リサイクル原料は使用済みの携帯電話や家電製品、電子機器のほか、工場の製造工程から発生する電気、電子部品屑など。

パソコンのハードディスクの一部には金、プラチナ、銀などの貴金属が使われているし、半導体部品などには、薄い金メッキが施されているものもある。

持ち込まれた原料(業者から買い取ったもの)は一見、ごみの山だ。

これらの原料を焼却し、残った灰から非鉄金属を回収する。

この際、銅の精練で培った湿式精練技術を活用する。中学の理科で学んだ「イオン化傾向の原理」(金属は酸などの溶液にイオンという形で溶け出る)を使うのだ。

たとえば、銀の精製工程では、他の物質も含まれる純度の低い銀塊を電解槽に入れ、銀イオンを溶かし出す。

銀イオンは電気的にマイナスの性格を持つので、溶液の中でプラスの正極側に吸い寄せられる。

こうして生成したばかりの銀は、無数の細かな針が生えているみたいな状態で、笹銀と呼ばれる。これをインゴットにする。

同工場の主力は銅の精練である。

同社がチリに持つ銅鉱山(高度4000m超。安倍総理が開山式に出席)から採掘された銅鉱石には1%以下しか銅が含まれない。30%まで高めた状態で日本に運び、佐賀関精練所(大分県)で99%にまで高める。

それを、日立では、体育館をいくつも並べたような広い工場の電解槽で精製し、99.99%の電気銅を作る。これが電線などの原料となる。

精銅工場(電気銅製造)
精銅工場(電気銅製造)
精銅工場(電気銅製造)
精銅工場(電気銅製造)
精銅工場(電気銅製造)
精銅工場(電気銅製造)
精銅工場(電気銅製造)
精銅工場(電気銅製造)
精銀工程(笹銀、インゴット鋳造)
精銀工程(笹銀、インゴット鋳造)
精銀工程(笹銀、インゴット鋳造)
精銀工程(笹銀、インゴット鋳造)
精銀工程(笹銀、インゴット鋳造)
精銀工程(笹銀、インゴット鋳造)

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