過去の大気汚染が原因で、ぜん息に苦しむ患者の方々に補償を行う公害健康被害補償法の改正案が22日、衆議院本会議を通過した。私は環境委員長として登壇し、委員会における経過と結果を報告した。
補償給付等の対象となる認定患者は現在およそ3万4千人。最年少は30歳。
工場や自動車から排出された硫黄酸化物による著しい大気汚染による健康被害を補償する制度は、昭和49年に発足。ピークを迎える昭和63年に11万人の認定患者がいたが、大気汚染防止法などにより汚染が改善されたため、同年以降、新規の認定は行われていない。病気治癒や死亡により認定患者が減少してきた。
補償費用は、過去にばい煙を発生させた施設(工場などおよそ8200)が汚染負荷量賦課金として8割を負担し、残る2割は自動車重量税の一部を充当している。
今回の改正は、自動車重量税分についての取り決めが平成29年度で切れるため、延長するのが目的。
両者の合計額(平成29年度)は約411億円。これを基に医療費、障害補償費、遺族補償費(補償を受けていた人が一家の稼ぎ手である場合、没後10年まで家族に支給。現在およそ1100人が対象)などの給付と、リハビリ事業などに使われる。
障害補償費は、働けなくなった収入の補てんプラス慰謝料で、年代別、男女別に平均賃金の8割を給付している。そのため40歳~44歳の男性が32.1万円に対し、女性22.4万円、45歳~49歳は男性35.5万円、女性22.9万円、50歳~54歳は男性37万円、女性22.5万円、55歳~59歳は男性35万円、女性21.5万円と、男女差が非常に大きいことを悲しく思う。
汚染物質を排出した者すべてに過不足なく負担させることは不可能なため、工場のばい煙や自動車の排ガスと健康被害の因果関係をある程度、割り切って負担させて補償の原資とし、同時に法規制による公害対策や技術革新により公害の発生を抑えるという、日本の公害対策のモデルは現在、大気汚染問題に直面している発展途上国に移転する価値があると思う。
環境省は途上国から研修生受け入れや日本からの指導者派遣、さらに、国際会議でのアピールを続けているという。
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