私の地元・墨田区千歳一丁目(両国の近く)の江島杉山神社内に「杉山和一記念館」が完成した。
「鍼灸・あん摩の神様」として神社に祀られている杉山和一(1610年~1694年)は江戸時代の鍼灸(しんきゅう)師。
盲人に与えられた最高の地位、総検校(そうけんぎょう)となり、天和2年(1682年)に視覚障害者に鍼(ハリ)やあん摩術(マッサージ)を伝授するための学問所「鍼灸講習所」を開いた。
これは世界初の視覚障害者のための職業教育施設である。
その鍼灸術を高く評価した五代将軍徳川綱吉(『犬公方』と呼ばれるなど悪評も多いが、盲人教育に力を入れるなど評価すべき面もあった)から、「何かほうびがほしくないか」と問われ、杉山検校は「一つ、目がほしい」と答えた。そこで当時「本所一ツ目」と呼ばれていた土地に屋敷が与えられ、同時に杉山検校が祈願していた江ノ島(鎌倉)の弁財天を勧請したことが信仰のはじまりである。現在は、地元2町会の氏神としてもにぎわっている。
今回完成した杉山和一記念館は、2010年に生誕400年の記念事業として発起され、私もいろいろと相談に乗り、応援してきた。杉山検校遺徳顕彰会からの拠出や全国からの寄付のほか、日本宝くじ協会の助成金を受けた。(60坪二階建て。)

展示室には鍼術に関する本(弟子や後世の人が書いた)・宝物類を展示。鍼灸師と並んで盲人の職業とされていた琵琶法師が使っていた平家琵琶や、徳川綱吉から贈られた掛け軸、鍼の技術を習得するために経穴(ツボ)の位置を触って覚える経穴人形などが展示されている。
実習室も設け、鍼灸・あん摩療法の施術台を4台備え、週に一度、一般の患者を受け入れるほかに、視覚障害者で鍼・灸・あん摩(マッサージ)の資格を取得した新人の研修も行う。
1階は多目的ホールとなっており、地域のコミュニティスペースとしても利用される。
4月30日(土)、5月1日(日)にかけて開催される「第16回両国にぎわい祭り」では江島杉山神社も会場の一つとなっている。
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